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ケーススタディ② サービス業(ITコンテンツ)
1.状況と課題の把握
【 状況 】B社は業績30年の企業。社長は創業者。専務である長男(30代)が入社7年目を迎えた。
10年後(最短で5年後)に社長職を専務(長男)へ引き継ぐ為の準備を始めた。
【 課題 】① 銀行との交渉は社長が行ってきたため、資金繰り等の財務面も専務(長男)へ引き継ぎたい。
② 専務(長男)へ、社長の株式を買い取る為の現金資産を保有させたい。
2. 解決方法
① 専務(長男)が実際に1年間の資金繰り表を作成し、資金収支の実績と予定を毎月更新する。
⇒資金繰りの仕組みを直感的に会得できる。
② 経理部間のチェックを行う役割として、新たに財務監査部門を設置して専務(長男)の配偶者を、
財務担当役員に任命する。役員報酬を年間600万円支給することにより専務(長男)の報酬800万円
は貯蓄へ。
⇒株式買取り資金の確保が可能となる。
3. 実施手順
① 現在の資金繰り表の作成フォームを簡素化し、一目瞭然で資金の流れが把握できるようにする。
⇒銀行と資金繰り交渉ができる要素を業務に取り込む。
② 月次B/S、P/Lと資金繰りが合致している事を確認する方法を構築する。
③ 売上伝票、支払伝票の整合性を点検するためのフォーマットを作成する。
④ 経理部門の事務マニュアルを作成し、経理担当者の引き継ぎ業務を容易にする。
⇒突発的な欠員が出ても、経理業務が滞ることが起こらなくなる。
経理業務を可能な限りパートスタッフ化して人員コストを下げる事が可能となる。
4. 結 果
・役員報酬支給の分散化が図れた。専務(長男)の配偶者が収入を得ることで、二次相続対策の
一環にもなった。
・専務(長男)の株式買取り資金をストック化することができた。
・経理部門の人件費がスリム化し、社内全体において経理業務の『見える化』が浸透した。